【初めての方へ】正社員の定期健康診断とは

2020.02.07

先日、ある企業様より社員の健康診断についてご質問を頂きました。
「健康診断はいつやるのか?」「誰が対象なのか?」「どこで受けるのか?」「健康診断の費用はどうするの?」とてもよく頂く質問です。今回は健康診断についてご説明致します。

正社員に対しては1年に1度は行わなくてはならない

健康診断(ここでは定期健康診断に限定します)は正社員に対し、一年に一度行わなければなりません。
そして定期健康診断に係る費用は、全額会社負担となります。
定期健康診断には必ず実施しなければならない法定項目(労働者安全衛生法の定め)があります。

労働者安全衛生法で定められている検査項目とは

労働者安全衛生法で定められている検査項目は以下の通りです。

① 既往歴及び業務歴の調査
② 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
③ 身長(※)、体重、腹囲(※)、視力及び聴力の検査
④ 胸部エックス線検査(※) 及び喀痰検査(※)
⑤ 血圧の測定
⑥ 貧血検査(血色素量及び赤血球数)(※)
⑦ 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)(※)
⑧ 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド)(※)
⑨ 血糖検査(※)
⑩ 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
⑪ 心電図検査(※)

(※)がついている項目は、年齢による省略と基準に基づく医師の判断による省略が可能

協会けんぽの生活習慣病予防健診を受けた場合は、費用の一部が助成

前述の労働者安全衛生法に定める検診(法定検診)は必要最低限ものとなっております。
多くの会社では、加入している健康保険(協会けんぽ、●●健康保険組合)の健康診断を受けるのが一般的です。
協会けんぽを例に挙げると、協会けんぽで行っている生活習慣病予防検診を、毎年の定期健康診断として利用している会社が多く見受けられます。協会けんぽの生活習慣病予防健診を受けた場合は、費用の一部助成が行われます。

生活習慣病予防検診を受診するには

生活習慣病予防検診を受診するまでの流れは以下の通りです。

① 協会けんぽのHPにアクセス
② 会社近隣の医療機関を検索
③ 医療機関を選択後、「協会けんぽの生活習慣病予防検診」を指定
④ 会社名、住所、受診者数、受診日を指定
⑤ 問診表が会社に送られてくる。
⑥ 医療機関で健診を実施
⑦ 健診費用をまとめて支払い
⑧ 健康診断結果が会社に送付される。
⑨ 健診結果を会社保管し(労働者の同意を得て)本人へ結果を通知
⑩ 常時50人以上の会社は健康診断報告書を会社所在地の管轄労基署へ提出
⑪ 結果によっては、二次健康診断を促し、健康状態をフォローする。

協会けんぽの「生活習慣病予防検診」は35歳からが対象

当事務所でも、定期健康診断についてご質問を頂く際には、協会けんぽの生活習慣病予防検診をお勧めしているのですが、協会けんぽの「生活習慣病予防検診」は35歳からが対象となります。

このような場合は、御社所在地近くのクリニック又は、それぞれの自宅付近のクリニックで法定の定期健康診断を受診してもらうのが良いでしょう。
健康診断の費用は医療機関にもよりますが、概ね8,000円~10,000円くらいです。