勤務日数が特定できない場合の有給付与日数は?
~パート・アルバイト・シフト勤務者編~

2018.06.07

・シフト勤務で労働日数の特定がし難い場合
・労働契約で定めた日数より、多く(少なく)働いてしまった場合
・途中で労働契約が変更して、勤務日が多く(少なく)なってしまった場合

このような場合、有給は何日間与えれば良いのでしょうか?
今回は、勤務日数が特定できない場合の有給付与日数の判断式についてご紹介したいと思います。

労働契約で定めた日数を優先させる?実際の労働日数を優先させる?

労働契約で定めた勤務日と、実際に勤務した日は、乖離することなく一致することが本来、適切な労働契約であると言えます。

とはいえ、契約で勤務日を定めても、実際の勤務日が多かったり(パートが多く働いたケース)、又は少なかったりした際(欠勤等があったケース)は、往々にして生じます。
その他にも、シフト勤務者で勤務日が変動するパートタイマーについても、勤務日数の特定化は判断し難いものです。

労働契約と実態が異なる場合や、勤務日に変動があり勤務日数が特定できない場合の有給付与日数は、契約内容と勤務実績のどちらを優先すれば良いのでしょうか?

契約書で定めた勤務日でなく、実際に勤務した実績でカウントする。

週の所定労働日数が特定できないシフト勤務者等に於いては、基準日(入社日から6ヶ月経過した日=有給付与日)前の直近6ヶ月、又は1年間の勤務実績(実際に勤務した日)で判断します。

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基準日に於いて、予定される所定労働日数を算出し難い場合には、
基準日直前の実績を考慮して所定労働日数を算出することにして
差し支えないこと(基発0827001号 平成16.8.27)
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有給付与日数の算出に於いては、週及び1年間の所定労働日数が基準として定められておりますので、週の所定労働日数を定めることができない(できなかった)以上
1年間の勤務実績(初回付与時は6ヶ月の勤務実績)を想定して判断します。

【入社6ヶ月後の初回の有給付与日数の判断式】
(半年間の勤務実績日数×2) ⇒ 1年間の所定労働日数(みなし)とする。

この判断式により算出された日数を、1年間の所定労働日数とみなし、見合った有給日数を与えることになります。 

実際に働いた日数が1週あたり2日だった場合のバートタイマーの有給日数

例えば、労働契約で定めた勤務日数1週あたり5日のパートタイマーが、実際に働いた日数は1週あたり2日であった場合は以下の判断式となります。

半年間の勤務実績日数48日※) × 2 = 96日 (1年間の所定労働日数とみなす)

※) 1週2日×4週×6ヶ月で算出

上記、「1年間の所定労働日数みなし」を、比例付与に対応する表に当てはめて、該当する日数である、3日を付与すれば足ります。