「適正な労働時間の管理と把握」って具体的に何をすればいい?

2018.04.20

「適正な労働時間の把握・管理」とは、具体的に何をすれば良いのでしょうか?解釈に間違いがあってはいけないので、厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」にそってご紹介します。

①始業・終業の時刻を確認・記録すること

使用者は、始業及び終業の時刻を確認し、記録することが義務付けられています。
始業、終業時刻を確認することが必要ですので、1日●時間働きましたとの確認だけでは不足します。労働日各日の始業、終業時刻を確認することが必要です。

②休憩時間を確認・記録すること

休憩時間は労働時間に含まれません。但し、休憩時間とは労働者が権利として労働から離れることを保障された時間であり、その時間を自由に利用できるものとされております。休憩時間として本来の業務から離れていても、電話番等で待機しているような場合は、自由に利用できる時間とは言えませんので、休憩時間とされません。因みに休憩は労働時間が6時間を超え8時間以内の場合は、少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間を労働時間の途中に与えねばなりません。
休憩時間を分割して与えても大丈夫です。

③法定労働時間を超える労働があるか否かを確認・記録すること

労働基準法では、1週40時間又は1日8時間を法定労働時間として定めております。
(一定小規模事業者を除く)
この法定時間を超えた労働に対し、通常の労働時間に係る賃金計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わねばなりません。

④深夜労働時間があるか否かを確認・記録すること

労働基準法では原則として、午後10時から午前5時までの間に、通常の労働時間に係る賃金計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わねばなりません。

⑤休日労働があるか否かを確認・記録すること

労働基準法では、休日は1週間に1回又は4週を通じて4回以上与えねばならないとされております。これを法定休日といいます。法定休日に労働させた場合は、通常の労働時間に係る賃金計算額の3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わねばなりません。

⑥その他

①~⑤の他、適正な賃金計算の為、欠勤、遅刻、早退、有給取得、代休取得等も管理把握する必要があります。